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試行錯誤を経て誕生した多核種除去設備 福島第一原子力発電所(以下、1F)の廃炉作業では事故当初から1~3号機の冷却作業が継続的に行われている。これは原子炉建屋内にある燃料デブリが熱を発するため、冷却によって安全性を維持する必要があったからだ。 (第1週「海洋放出はなぜ必要なのか? 福島第一原子力発電所、廃炉へ向けた道程」参照) この際、冷却水が燃料デブリに触れることで放射性物質が含んだ水が発生するが、それをいかに除去・処分を行うかが大きなミッションとなる。 九州大学で核燃料工学、放射性廃棄物処理・処分の研究を行っている出光教授は、2013年から経済産業省による汚染水処理対策委員会に参加。さまざまな処理対策の方向性やビジョンの確立などに当たってきた。 「事故当初は炉心周辺の温度が高く、冷却するための水を大量に注入したため短期間でタンクが満杯になってしまいました。注入する量の削減、さらにタンク
食べたもののほとんどは無駄になる 「身体運動は、力学的エネルギーの変換現象。人体はこの過程でのエネルギー効率が非常に悪いんです」 体形や顔の表情といった外見や、われわれが行うあらゆる動作は骨格筋が作り出していることについては特集第1回で述べた通りだが、川上教授が指摘する人体におけるエネルギー効率の悪さは、われわれにどのような影響をもたらしているのだろうか。 「筋肉の話をする前に、人の“運動”がどのように行われるのかについて説明しましょう。人は食物を摂取して“エネルギー通貨”といわれる化合物・ATP(アデノシン三リン酸)を作り出します。そして筋肉はATPをエネルギー源として収縮し、人体を運動させます。つまり、人体では、食物をATPにする『生理学的エネルギー』への変換と、ATPを運動にする『力学的エネルギー』への変換が行われているのです。 しかし、力学的エネルギーへの変換では、『運動動作に必要
ターゲットとなる筋肉を見失うな! 「トレーニングはいつ始めても、遅すぎることはない。90歳の方でも、正しいトレーニングを行うことで筋量を増やすことはできるんです」 アメリカのクリーブランド・カイロプラクティックカレッジ ロサンゼルス校を卒業し、現在はカイロプラクターとして活躍する榊原直樹氏は、ボディビルの経験も持つ筋肉のスペシャリストだ。 愛知県の名古屋駅近くに、カイロプラクティック院を開院する榊原直樹氏 「自己流で始めるとケガをする人も多いため、正しいフォームを覚えるまでは経験豊富な指導者の元でトレーニングを行ってください」 例えば、ジムに通い始めたばかりの人が、見よう見まねでマシントレーニングをする。一見、正しくトレーニングできているように思えるかもしれないが、実は掛かるべきところに負荷が掛けられていないことがある。 「どのトレーニングにも、必ず“ターゲット”となる筋肉があります。そこ
熱伝達技術向上の鍵は“アルミニウム” 工場や家庭で使用される熱エネルギーには、必ずロスが生じる。回収が不可能なエネルギーならまだしも、コストの問題で廃棄されている熱エネルギーは、まさに「エネルギーロス」である。 この「エネルギーロス」の解消は、サステナブルな社会の実現において有意義な技術課題の一つである。 そうした技術課題に対し、200℃以下の高温側のみならず、LNGを気化させるための低温排熱エネルギーの回収・活用において、三菱マテリアルは個体の粉末を融点より低温の環境で加熱し、緻密な物体=焼結体を製造する独自技術に、急速に冷える特性、つまり鉄の約3倍もの熱伝導率を有し軽量なアルミニウムに適用することで解決できるのでは、と考えた。 そして、「アルミニウムの特徴を生かし、測定に基づいた熱伝達の理論をしっかり打ち立てるには、熱の専門家である榎木先生の知見が不可欠と考え、相談させていただきました
日本を資源大国に導く? 海底に眠るコバルトリッチクラストが秘める大きな可能性 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 金属海洋資源部長 五十嵐吉昭【前編】 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下、JOGMEC)は2020年7月、日本のEEZ(排他的経済水域)内の海底におけるコバルトリッチクラストの掘削試験に世界で初めて成功したと発表。これは10年後、20年後の近い将来、日本がレアメタル産出国になれるかもしれない可能性を示唆する、極めて重大な成果だ。そこで、掘削試験を統括したJOGMEC 金属海洋資源部長の五十嵐吉昭氏に詳細を伺った。 鉱物資源の少ない日本にもたらされたギフト? コバルトリッチクラスト(以下、クラスト)とは、希少金属であるコバルトを多く含む海底鉱物資源のこと。 水深約1000~2500mの海山(海底で山のように隆起している地形)平頂部周辺にあり、岩石を厚さ数
商業化への道筋が見えた? 日本が海底鉱物資源開発のパイオニアになる日 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 金属海洋資源部長 五十嵐吉昭【後編】 現状では、責任ある調達が難しい金属と言われているコバルト。そんな中、コバルトを多く含む海底資源・コバルトリッチクラスト(以下、クラスト)の掘削試験に、独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下、JOGMEC)が世界で初めて成功。日本が資源国になれる可能性を示したことは前編で紹介した。後編ではその実現可能性、商業化に向けた課題について、JOGMECの五十嵐吉昭氏に話を聞く。 国内消費量88年分ものコバルトがEEZ内に期待される 日本で使われる鉱物資源は、銅や鉛、亜鉛、鉄などのベースメタルと、リチウムをはじめ、マグネシウムやマンガン、コバルトなどのレアメタルのいずれもほぼ全てを輸入に依存している。 もし何らかの理由で輸入ができなくなり
民間プラントでは世界初! 電気抵抗ゼロを可能にする超電導ケーブルの実証実験開始 エネルギーロスを大幅削減! 複雑な工場レイアウトでの導入成功で実用化へ一歩前進 化学の実験でおなじみの液体窒素。日常生活とは無縁のものと思いきや、血液の保存や食品の急速凍結など、実は身近な分野で使用されているケースも少なくない。そうした中、-196℃という特性を生かし、省エネにも役立てようという実験が進められているという。キーワードは「超伝導」。電気抵抗がゼロになる現象のことだ。超伝導と液体窒素の関係、電気抵抗をなくすことで生じるメリットなど、実用化に向けて期待がかかる注目の技術を紹介する。 普及する「低温」、これからの「高温」 開通に向けて工事が進むリニアモーターカー。ここに超伝導という技術が用いられていることをご存じだろうか? 超伝導とは、特定の物質を極めて低い温度まで冷却した際に電気抵抗がゼロになる現象の
ウイルス=病原体とは限らない 「ウイルスとは、バクテリア(細菌)、菌類、微細藻類、原生動物などとともに、よく“微生物の一種”と思われています。中でもウイルスは、一般的に病原体、つまり“悪いもの”というイメージですね」 神戸大学大学院農学研究科の中屋敷 均教授がそう話すとおり、「ウイルス」と聞くと、悪いイメージを持つ人が大半だろう。しかし、「病原体」とされる微生物には他にバクテリアや真菌(カビや酵母の総称)などもあり、必ずしもウイルスだけが“悪者”というわけではないという。その理由を知るためには、まずはそもそもウイルスとは何者なのかを理解する必要がある。 今回話を聞いた神戸大学大学院農学研究科の中屋敷 均教授 「よく大学の新入生に、大雑把なイメージをつかんでもらうために、真菌はわれわれと同じ多細胞生物、バクテリアはその体の一つの細胞が飛び出して独立して生きているもの、そしてウイルスは、その細
世界が洋上風力発電に注目する理由 「世界の洋上風力発電は、ここ10年で10倍強(発電容量ベース)と急成長が続いています。2017年末の発電容量は世界で約19GW(ギガワット、1900万kW)で前年末比+34%。2030年までには70GWを超える見通しになっています。そのうち、5割近いシェアを持つ英国を先頭に、ドイツ、デンマーク、オランダ、ベルギーの欧州諸国がけん引している状況です」 最新の欧州における洋上風力発電容量の推移。2017年は15.78GW、2018年は18.499GW、2019年は22.072GWと、この2年で約1.4倍に(1GW=100万kW) 出典)欧州風力協会(WindEurope)『Offshore Wind in Europe Key trends and statistics 2019』(2020年2月6日発表)p.7より引用 そう語るのは、三井住友銀行 企業調査部
ガソリンも充電も不要! 太陽光のみで走るソーラーカー「Sion」が来年にも量産化へ 地球にも家計にも優しい! 排気ガス&燃料費ゼロで走る世界初の究極エコカー 環境先進国が多いとされるヨーロッパ。最近ではガソリン車やディーゼル車の新車販売を規制する動きが盛んで、ノルウェーでは2025年、ドイツやスウェーデンでは2030年から販売禁止になる予定だ。その流れを加速させる可能性のある車が、ドイツ・ミュンヘンのスタートアップ企業・Sono Motors(以下、Sono社)で開発された。「Sion(サイオン)」と名付けられた車には太陽電池が搭載されており、そこから得たエネルギーのみで走行可能だという。予約販売数が1万台を超えた、話題のソーラーカーを紹介する。 多種多様な自動車界に現れた新星 HV(Hybrid Vehicle/ハイブリッド車)やEV(Electric Vehicle/電気自動車)、PH
常識を疑え! スペイン生まれの羽根のない風力発電機が2020年に販売スタート 逆転の発想から生まれた、新しいタイプの風力発電の仕組みとは 世界で初めて風力発電機が造られたのは今からおよそ130年前。さらに揚水や灌漑(かんがい)目的としては、紀元前から風車が活用されていたという記録も残っている。このように2000年以上もの間、風の力を得る=プロペラを回すということは常識として考えられてきた。しかし、スペインのスタートアップ企業・Vortex Bladeless社が開発したのは、羽根のない風力発電機。常識を覆した、希代の発明品とその仕組みを紹介する。 世界の再生可能エネルギー事情から見る風力発電の今 昔に比べ、より一般的に知られるようになった「再生可能エネルギー」という言葉。水力や地熱、太陽光発電などが具体例として挙げられるが、まず頭に思い浮かべた身近なものはどれだっただろうか? 実はこれ、聞
歯は削っても抜いてもいけない! 老若男女、誰しもが悩む健康問題の一つに「虫歯」がある。予防する衛生用品や補助食品は数あれど、現実問題、「虫歯になったことがない」という人は少数派ではないだろうか。いざ虫歯になってしまえば、歯を削ったり、神経を抜いたりと、痛々しい治療の日々……。病院に通うのがついおっくうになり、病状が悪化してしまったという人も少なくないはずだ。 そんな虫歯治療の常識を覆す治療法を実践しているのが、歯科医師・小峰一雄氏だ。虫歯になった箇所を削らず、ドッグベスト療法という薬品治療と、糖質制限など食生活の指導により、人間が本来持つ治癒力で自然に治すことを重視しているという。そして、虫歯の真の問題は、歯だけではなく、肉体や臓器、つまり全身の健康状態に直結しているということなのだ。 「歯を治療する過程、また海外の研究結果を調査した中で、『削る行為』が体全体や臓器を傷めているという相関性
近い将来の大震災に備えるために 真っ赤なボディに、いかついフロントマスク。 大きなクローラー(無限軌道)がついた大型の車両が2台連結されている。 どんな場所にでも乗り込んでいけそうなたたずまいが、頼もしく見える。 普段は愛知県岡崎市消防本部のガレージに鎮座する、レッドサラマンダー。「サラマンダー」とは、四大元素を司る精霊のうち、“火をつかさどるもの”という伝承が残る。実在の生物では、両生類の一種のことで、日本ではサンショウウオとされることが多い 正式名称は「全地形対応車」、通称「レッドサラマンダー」。 大規模災害発生時、通常タイヤだけの車両では走行が難しい場所に乗り込み、さまざまな救助活動をするために総務省消防庁が配備した、特殊消防車両だ。 きっかけは2011年3月11日に東日本全域を襲った、東日本大震災にある。未曾有の災害に対応するため、警察、自衛隊、そして消防の隊員たちが日本全国から集
世界最高水準のガスタービン製造工場に潜入! 2年間の試験!徹底したものづくりを行う「三菱日立パワーシステムズ高砂工場」 日本の電力を支える火力発電所において絶対に欠かせないもの、それがガスタービンだ。一般的に目にすることはほぼないが、実は国を挙げてその高性能化に注力していることをご存じだろうか。研究開発から製造までをワンストップで造り上げ、世界をリードする三菱日立パワーシステムズ高砂工場に訪れた。 エネルギー革新技術の重要拠点 今回、取材班が降り立ったのは、兵庫県高砂市にある山陽電鉄本線荒井駅。多くの有名企業が製品開発の拠点を置く、瀬戸内海に面した工業地域だ。 駅こそ無人駅で寂しい表情を浮かべているが、周囲には巨大な工場や倉庫が立ち並び、方々には周辺企業の施設に、同社の社員寮や社宅。駅前からは、太い道路が南北へとのびている。 幅広の道路を5分ほど南下すると見えてきたのが、火力発電事業で世界
人に備わるストレス防御システム 現代社会において、「ストレスなどない」と言い切れる人はどのくらいいるだろうか。通勤の満員電車に長時間労働、職場やプライベートの人間関係、将来設計の不安……。そもそもストレスと関わらずに生きること自体が、不可能にも思える。 だからと言って、ストレスを放っておくと身体機能を調整している自律神経の働きが乱れ、健康に大きな影響を及ぼすことになる。ストレス性潰瘍と呼ばれる胃潰瘍や十二指腸潰瘍だけでなく、心筋梗塞、高血圧、不整脈、そして近年ではうつ病やパニック症候群なども、ストレス社会が生んだ現代病とされている。 ただ、こうしたストレス性の病が大きく取り上げられるようになったのは、そう昔の話ではない。そう考えると、本来、人は病気になる前にストレスに対処できる能力を持ち合わせているのではないだろうか。 「人間はストレスを感じると、脳の視床下部から下垂体に向かって、CRF(
餃子の街から交通未来都市へ!国内初の全線新設LRTによる宇都宮のまちづくりが本格始動 次世代型路面電車(LRT:Light Rail Transit)を軸に「ネットワーク型コンパクトシティ」を目指す 新しい乗り物には、人々をワクワクさせて、都市を活性化させるエネルギーがある──。栃木県宇都宮市が整備中の次世代型路面電車(以下、LRT)も、人口が大幅に減少する未来の救世主として期待されているプロジェクトだ。交通手段を増やすことで、どのようにまちづくりを目指すのか? 宇都宮市 総合政策部 政策審議室 計画行政グループの砂田篤史氏と間中美徳氏に話を聞いた。 国内初の全線新設! LRTで東西の交通が快適に 日本の総人口は、2008年の1億2808万人をピークに減少を続けている(厚生労働白書より)。北関東を代表する大都市である宇都宮市も例外ではない。 「現在、宇都宮市の人口は約52万人です。これまで
関越道から東名高速までをトンネルでつなぐ一大プロジェクト ことしの3月23日、大きなニュースが飛び込んできた。 それは、「東京外かく環状道路(三郷南IC<インターチェンジ>~高谷JCT)がことし6月2日(土)に開通」するというものだ。これにより外環の約6割が完成し、5つの放射道路(東関東道・京葉道・常磐道・東北道・関越道)が接続。首都圏に流入する路線の渋滞緩和などが期待され、関東圏において流通にかかるエネルギーの効率アップにもつながる。 そもそも外環とは、都心部から約15km圏を環状に連絡する長さ約85kmの道路のこと。完成により、首都圏の渋滞緩和、環境改善など円滑な交通ネットワークが実現されると見込まれている。これまで関越道と交差する大泉JCTから三郷南ICまでの約34kmが開通。先述の三郷南ICから高谷JCTまでの約16kmが、今まさに開通を待っている状態だ。 これで残るは、東京の西側
憧れをカタチにしたいという夢をかなえる 重機でありながらコンパクトなサイズ感。 前方に向かって伸びた2本の腕と独立した四脚クローラーが印象的なスタイル。 SFアニメに出てくるロボットのようなたたずまい。 しかし、もちろんこれはSF映画のために造られたロボットではない。グローバルで活躍する大手建設機械メーカー、日立建機が造り上げた四脚クローラー方式双腕型コンセプトマシンだ。 人と比べると、やや小ぶりなその重機の大きさが分かる 2本の腕、前後に分かれ、それぞれが独立して駆動するクローラー。そのフォルムからして、重機というよりもロボットのようだ 「20年ほど前、ガンダムのようなロボットを造りたいという思いで入社してきた技術者がいたんです。それが始まりでした」 造った経緯をそう説明してくれたのは、日立建機株式会社 ブランド・コミュニケーション本部 広報戦略室の小俣貴之さんだ。 コンセプトマシンを自
テストステロンがあるから“男”になる 「日本では、“テストステロンは男性ホルモン”といわれています。そもそもホルモンというのは、脳下垂体や甲状腺、副腎(ふくじん)、さらに生殖器など体内のあちこちで作られ、全身の隅々でエネルギーとして働く物質。その中で男性ホルモンの代表といえるのがテストステロン。これがないと男性は存在しません」 ヒトは母親の胎内で生まれたときは女性だ。ただし、男性は女性にはないY染色体を持って生まれてくる。このY染色体があることにより、胎児のときに、ある時点で自らテストステロンを大量に作り出す。 「テストステロンが男性らしさを確立する上で重要な働きをしていることは分かっています。筋肉を作るとか、骨格をがっしりさせるといった見た目にとっても重要。でも、それだけではありません。例えば、男性は狩りに出掛け、獲物を捕らえ、帰ってくるということを古代より行ってきました。この行動の元、
科学を通じて社会貢献!使命感に燃える科学のお姉さんの挑戦 東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 修士1年 五十嵐美樹【前編】 美しき理系女子学生の現在と、夢を実現するためのエネルギーに迫る「理系女子の履歴書」。第8回は東京大学大学院で科学コミュニケーションを専攻する五十嵐美樹さん。“科学のお姉さん”としてサイエンスショーを主催しながら、“使命”と掲げたある目標実現に向けて前進する彼女。笑顔の裏に隠していた、理系女子だからこその熱い思いとは。 レース、ダンス、エコカーで挑戦と挫折の繰り返し 子供たちに科学の魅力や楽しさを伝えたい——サイエンスコミュニケーターとして、科学実験教室やサイエンスショーを全国各地で行いながら、東京大学大学院に通う五十嵐美樹さん。踊りながら生クリームをバターにするダンス実験など、独自のスタイルで子供たちの心をつかんでいる彼女が、そもそも科学に興味を持ったのは中学生の
頭が良過ぎる人の脳はどれほどエネルギーを使っている? 仮面ライダーにデスノートのL…超天才たちの脳がすご過ぎる 空想世界で描かれたワクワクする未来を、エネルギー文脈から分析する好評のEMIRA連載。第5回のテーマは、マンガやアニメに出てくる頭が良過ぎるキャラクターたちの脳について考察する。 あのキャラたちの知能指数 人間は、1日に消費するエネルギーの20%を脳で使う。成人の脳の重量は1.2~1.5㎏で、体重の2%ほどに過ぎないから、それは大変な消費量である。 また、睡眠中はエネルギー消費量が覚醒時の半分になることから考えると、睡眠時間を8時間とした場合、覚醒時の脳は電力に換算して27Wのエネルギーを消費していることになる。 これは、ノートパソコンの消費電力と同じぐらい。もちろん、両者の動く仕組みは全く違うので偶然の符合にすぎないが、ミョ~に納得感のある事実である。 すると考えたくなるのは、
試合データからは高く評価できたハリル・サッカー 「2018 FIFAワールドカップ ロシア」を直前に控え、日本代表「西野ジャパン」の行く末を不安視する声が絶えない。サッカーファンの間では、予選段階から何かと“物言い”がつく日本代表の戦いぶりだったものの、4月に起きた“ハリル解任劇”が奇しくも不安を最高潮にまで引き上げたと言えるだろう。 大会本番わずか2カ月前という時期に、日本サッカー協会の田嶋幸三会長は、ロシア大会予選突破を担ったヴァイッド・ハリルホジッチ監督を更迭。田嶋会長は、「選手とのコミュニケーション不全」「ワールドカップで1%でも勝つ確率を上げるため」などを更迭理由に挙げた。しかし、それらの理由はとても曖昧模糊(もこ)としたものであり、ファンらが客観的に納得できるものでは決してなかった。 実際、インターネット上では、「得点率、失点率とも歴代監督の中で最も数字が良い」という、ハリルホ
全固体電池の実用化目前!私たちの生活を変える新時代の電池とは? 東京工業大学 科学技術創成研究院 全固体電池研究ユニットリーダー 物質理工学院応用化学系 菅野了次教授 現在、自動車や電化製品業界で新たなエネルギー源として期待を寄せられている全固体電池。昨年には、「2020年代前半に、リチウム電池に代わって全固体電池を搭載したEV(電気自動車)の実用化を目指す」とトヨタが発表するなど、実用化に向けた開発は待ったなしだ。1980年以降、リチウム電池と固体電解質の研究に携わり、トヨタとも共同開発を行う東京工業大学物質理工学院応用化学系の菅野了次教授にその未来について話を聞いた。 研究者間でも難しいと言われてきた超イオン伝導体の発見 現在主流となっているリチウムイオン液体電池の仕組みをおさらいしておくと、正極(リチウム酸化物)と負極(炭素など)の間はリチウム塩有機溶媒という液体電解質で満たされ、セ
今回は、大学院で工学を修め、海外のモーターショーや学会なども取材する国際派モータージャーナリスト・川端由美さんと共に、8台のテスラをハイヤーとして活用する日の丸リムジンを訪ねた。 目標は2020年までにEV100台を実現すること テスラ モデルS 100D……632km テスラ モデルX 100D……565km BMW i3(94Ah)……390km 日産 リーフ(30kWh)……280km 日産 e-NV200ワゴン……190km 三菱i-MiEV X……172km ※すべて2017年カタログより 燃料測定方法は、テスラ「NEDC(新欧州ドライビングサイクル)」、BMW・日産・三菱「JC08モード」にて算出 これらは、現在入手できる主なEVの2017年カタログに記載されている一充電あたりの航続距離だ。2010年に市販が開始された日産「リーフ」の初期モデルは、航続距離200km。それに比べ
魚がエネルギー問題の救世主に? 近年注目を集めている再生可能エネルギーの変換効率は、最も効率が良い風力発電でも25%。太陽光発電に至っては10%程度でしかないとされている。言い換えれば、この変換効率の低さこそが、再生可能エネルギーの普及を阻んでいる原因の一つとも言えるだろう。 では、仮にエネルギーを創出する際に一切のロスがない、つまり電力への変換効率が100%という発電方式があったとしたら、どうだろうか? 実は2016年5月に、理化学研究所の田中 陽氏の率いるチームが、この夢の発電方式を世界で初めて生み出している。 「私たちが開発したのは、強電魚(きょうでんぎょ)の一種であるシビレエイの電気器官を使った発電機です。シビレエイの背面には長さ10cm、幅3cmの電気器官が左右に並んでおり、そこに六角形の発電細胞が1000層近く積み重なっています。一つ一つの細胞が出す電気は弱いのですが、積み重な
9月といえば台風シーズンのイメージがあるが、自然災害を引き起こす台風をエネルギー源として電力を生み出そうというプロジェクトが進められている。特許を取得した独自の技術でこの壮大な計画に挑む株式会社チャレナジー 代表取締役CEO 清水敦史氏に話をうかがった。 日本に適した風力発電を作りたい! 日本は年間十数個にも及ぶ台風が接近・上陸する台風大国。それは時に家屋や農作物などに甚大な被害をもたらし、内包するエネルギーも膨大だ。 「日本は風力発電大国になれるほどのポテンシャルがあるといわれています。一方で、風の強さや向きが変わりやすい環境のため、プロペラ式風車には厳しい環境であり、さらには台風による事故も起きています。そこで、台風でも安全に発電できる『プロペラのない風力発電』の実用化を目指しています」 そんな突拍子もないアイデアを語るのは、「台風発電」に取り組んでいるチャレナジー代表取締役CEO清水
東京都内に体験施設ができ、今年11月にはアメリカの某有名テーマパークにも新アトラクションが登場する予定のVR。視覚的な没入感のすごさはよく知られているが、その先をいくのが“触れるVR”だ。多くのデバイスが開発される中、世界的に注目される研究者の一人、H2L株式会社の玉城絵美氏に話を聞いた。 ストレス解消!VR世界で破壊体験 ゲームや映像作品などエンタテーインメントコンテンツを中心に急速に広がるVR。先日行われた「東京ゲームショウ2017」ではスマートフォンと組み合わせてVRアプリを腕で操作する「FirstVR(ファースト ブイアール)」が大きな話題を呼んだ。体験ブースに設置されたゲーム「母ご乱心」が人気を博したのだ。 「母ご乱心」は、まずFirstVRのコントローラーであるUnlimitedHand Lite(アンリミテッドハンド ライト)を腕に装着。VRの画面上に現れる「手」で台所に置か
宇宙への輸送コスト削減を目標に軽量化!JAXAと組んで開発した“超軽量建機” 株式会社タグチ工業 技術本部 岡田康弘 2015年4月、JAXA(国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構)内に発足された「宇宙探査イノベーションハブ」。さまざまな異分野の人材・知識を集め、これまでにない新しい体制や取り組みでJAXA全体に研究の展開や定着を目指して、民間企業や大学と連携し、実現したい技術やアイデアの共同研究を行っている。その一つである“軽量化建機”開発のためJAXAに出向している、タグチ工業の技術本部所属 岡田康弘氏に話を伺った。 地上用の建設機械を軽量化して宇宙へ! JAXAを筆頭とした宇宙に関する開発や研究が進んでいる。 そんな中、JAXAはJST(国立研究開発法人 科学技術振興機構)から支援を受け、地球上で“探る”“造る”“建てる”“住む”といった活動や研究をしている民間企業や大学、研究機関
外食産業など、ちまたで広がりを見せる“糖質制限”。ブドウ糖が不足すると体の脂肪が燃焼されエネルギー源として使われるようになり、その時に肝臓でケトン体が作られる。そのケトン体の上昇によって人体のエネルギー効率にどんな影響があるのかを、自ら糖質制限を実践し、健康的な生活を送っている医師・宗田哲男氏に聞いた。 “悪者”から“救世主”へ! 2015年11月に発売され、瞬く間に増刷4回、数万部を売り上げるなど話題となった著書『ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか』(光文社新書)。 その著者である宗田哲男氏は、千葉県市原市にある「宗田マタニティクリニック」の院長で、現役の産婦人科医だ。 宗田医師は、日々接している胎児や赤ちゃんのエネルギー源が主にケトン体(アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸という3つの物質の総称で、ブドウ糖がなくなると脂肪を燃焼してエネルギーに換える物質)であること
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